
技術士の履歴書・職務経歴書の書き方
技術士の資格を活かして転職するとき、「履歴書の資格欄にはどう書けばいいのか」「職務経歴書で技術士としての経験をどう伝えればいいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、履歴書の資格欄の書き方から、職務経歴書に記載する内容、守秘義務に配慮した実績のまとめ方まで解説します。実績の記載例や、応募書類を提出する前に確認したいポイントも紹介します。
履歴書の資格欄の
書き方
技術士の資格は、履歴書の「免許・資格」欄に記載します。厚生労働省が公表している履歴書様式例にも、この欄が設けられています。記載するときは、登録を受けた技術部門を明示し、「技術士(建設部門)」のように書くことがポイントです。
技術士法第46条では、技術士が業務に関して名称を表示するときは、登録を受けた技術部門を明示するよう定めています。履歴書でもこのルールに沿って記載すれば、専門分野を正確に伝えられます。複数の技術部門に登録している場合は、部門ごとに1行ずつ記載しましょう。
記載例は次のとおりです。
令和〇年〇月 技術士(建設部門)登録
令和〇年〇月 技術士(上下水道部門)登録
年月には、第二次試験の合格年月ではなく、技術士として登録された年月を記載します。第二次試験に合格しても、登録を受けるまでは技術士を名乗れないためです。
日本技術士会が発行する技術士登録等証明書には、技術部門だけでなく選択科目も記載されています。「技術士(建設部門) 選択科目:〇〇」のように補足すれば、専門分野をより具体的に伝えられます。
登録番号や登録年月日の記載を求められた場合は、技術士登録証や登録等証明書を確認し、正確に記載してください。応募先から登録の確認を求められたときに備え、登録証などをすぐに提示できるよう準備しておくとスムーズです。
まだ登録が済んでいない場合は、試験の合格状況と登録状況を区別して記載します。第二次試験に合格し、登録手続き中であれば、「技術士第二次試験 合格(建設部門)」のように書き、登録の見込み時期は職務経歴書や面接で補足しましょう。技術士法第57条では、技術士でない人が「技術士」やこれに類似する名称を使用することを禁止しています。登録前に「技術士」と記載することはできません。
技術士補として登録している場合は「技術士補(建設部門)登録」、第一次試験に合格した段階であれば「技術士第一次試験 合格(建設部門)」と記載します。技術士補を名乗るには、第一次試験への合格などの要件を満たしたうえで、登録を受ける必要があります。応募先が履歴書の様式を指定している場合は、その指示に従って記載してください。
職務経歴書に書く内容と構成
履歴書が学歴や職歴、保有資格などの事実を伝える書類であるのに対し、職務経歴書は、応募先に自分の経験やスキル、入社後に活かせる強みを伝える書類です。技術士の場合は、専門分野に加え、どのような業務をどの立場で担当してきたのかがひと目でわかる構成にしましょう。
基本的な構成は、職務要約、保有資格、業務経歴の順です。冒頭の職務要約には、専門分野(技術部門・選択科目)、経験年数、得意な業務を3〜5行程度でまとめ、保有資格も続けて記載します。最初に資格と専門分野を示すことで、採用担当者が自分の強みを把握しやすくなります。
業務経歴には、業務ごとに次の5項目を整理して記載します。
- 業務の種類
計画、調査、設計、維持管理など、担当した業務の種類を記載します。 - 発注者の区分
国の機関、都道府県、市町村、民間企業など、発注者の区分を記載します。守秘義務に配慮し、具体的な名称は必要に応じて伏せましょう。 - 自分の役割
管理技術者、照査技術者、担当技術者など、業務で担った立場を記載します。 - 規模と期間
橋梁の数、道路の延長、対象面積、業務期間など、業務の規模がわかる情報を記載します。 - 成果
提案した内容や、工期・コストへの効果などを記載します。数値で示せる成果は、根拠を確認したうえで具体的に示しましょう。
なかでも、自分の役割は明確に記載したい項目です。国土交通省の設計業務等共通仕様書では、管理技術者は業務の管理や統括などを行う者、照査技術者は成果物の内容について技術上の照査を行う者、担当技術者は管理技術者のもとで業務を担当する者とされています。管理技術者や照査技術者を務めた経験があれば、実際に担った役割と責任の範囲を具体的に記載しましょう。
技術士第二次試験の申込書では、業務上の課題や解決策などを詳しく説明します。一方、職務経歴書では、採用担当者が経験や実績を把握できるよう、業務の種類、役割、規模、成果を簡潔にまとめることが大切です。技術的な判断の経緯を詳しく説明するよりも、まずは担当した業務と自分の貢献が伝わる内容に整えましょう。
守秘義務に配慮した
実績の書き方
技術士が実績を記載するときは、守秘義務への配慮が欠かせません。技術士法第45条では、技術士と技術士補は、正当な理由なく、業務に関して知り得た秘密を漏らしたり、盗用したりしてはならないと定められています。この義務は、技術士や技術士補でなくなった後も続きます。転職活動で提出する書類であっても、前職で知り得た秘密を自由に記載できるわけではありません。
実績を記載するときは、固有名詞や非公開情報を、公開して差し支えない範囲で一般化しましょう。発注者名は「国の機関」「都道府県」「市町村」「民間企業」などの区分で記載します。具体的な事務所名や企業名は、公開の可否を確認せずに記載しないでください。業務名も、内容が伝わる範囲で一般化します。橋梁名や施設名を伏せ、「橋梁の予備設計」「河川の治水計画の検討」のようにまとめましょう。
数値は、公開されている情報や、記載が認められた情報に限って使用します。契約金額や非公開の技術データなど、秘密に該当する情報は記載しません。業務の規模を橋梁の数や延長などで示す場合も、公開情報であることや、会社の許可を得ていることを確認してください。
どこまで記載できるかは、会社の規程や契約内容によって異なります。判断に迷う情報は、前職の会社や関係者に確認してから記載しましょう。面接で実績について質問されたときも、守秘義務に触れる情報は話せません。書類に記載する内容だけでなく、面接で説明できる範囲も事前に整理しておくことが大切です。
実績の書き方の例
ここでは、職務経歴書に実績を記載する際の例を紹介します。ポイントは、「何を担当したか」「どの立場だったか」「どの程度の規模だったか」「どのような成果を上げたか」の4点をそろえることです。以下は架空の記載例です。〇の部分を自分の経験や、公開・記載が認められた情報に置き換えて活用してください。
設計の例:橋梁の予備設計(県発注)
役割:管理技術者/期間:約〇か月
橋長約〇mの橋梁について、地盤条件や周辺環境を踏まえて〇案を比較検討し、経済性と施工性の観点から〇案を提案。当初案と比較して、概算工事費を約〇%縮減しました。
計画・調査の例:河川の治水計画の検討(市発注)
役割:担当技術者/期間:約〇か月
対象流域〇㎢の洪水解析を担当し、整備メニューごとの浸水被害の低減効果を整理。計画の優先順位を検討するための資料を作成しました。
維持管理の例:橋梁点検と長寿命化修繕計画の策定(県発注)
役割:照査技術者/期間:約〇か月
対象〇橋の点検結果と修繕計画案を照査し、判定根拠と補修の優先順位を確認。計画期間中の補修費用を平準化する案の取りまとめに携わりました。
いずれの例も、発注者名や業務名を区分・種類で示しながら、役割や規模、成果を具体的に伝えています。自分の経歴に置き換えるときは、まず4つのポイントを書き出し、守秘義務に配慮したうえで文章にまとめましょう。成果を数値で示す場合は、実際の記録や資料で根拠を確認し、事実に沿って記載してください。
応募先に合わせた書き分け方
職務経歴書は、すべての応募先に同じ内容を提出するのではなく、募集要項に合わせて書き分けましょう。確認したいのは、応募資格、歓迎される経験・専門分野、具体的な仕事内容の3点です。
応募資格に保有資格や実務経験の条件がある場合は、職務要約や資格欄で、条件を満たしていることがわかるように記載します。歓迎される分野と自分の経験が重なる場合は、その業務の実績を詳しく書き、応募先との関連が薄い経験は簡潔にまとめましょう。設計が中心の募集なら設計の実績を、維持管理が中心なら点検や補修の実績を優先して記載すると、応募先に合った強みが伝わります。
採用担当者が技術分野の専門家とは限らない点にも注意が必要です。略語や専門用語は、初めて使う箇所で正式名称や簡単な説明を添えましょう。業務の目的や自分の担当範囲も簡潔に説明すれば、専門外の人にも、どのような経験を積んできたのかが伝わります。
提出前に見直したいこと
応募書類を書き終えたら、履歴書と職務経歴書を並べて確認しましょう。まず確認したいのは、年月に食い違いがないかという点です。在籍期間や業務期間に矛盾があると、書類の信頼性を損ないます。履歴書と職務経歴書の両方で、年月が一致しているか確認してください。
次に、業務ごとの役割を明記できているか確認します。業務名を並べるだけでは、管理技術者なのか担当技術者なのかがわからず、責任の範囲や貢献が伝わりません。資格欄の技術部門名や登録年月、登録番号も、登録証や登録等証明書と照らし合わせ、誤記がないか確認しましょう。
最後に、守秘義務に触れる固有名詞や数値が残っていないか確認します。公開の可否が不明な情報は、確認が取れるまで記載しないことが大切です。また、第三者に書類を読んでもらうと、専門用語の多さや説明不足、伝わりにくい表現にも気づけます。内容の正確さと読みやすさを整えてから提出しましょう。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

| 株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中央区元城町216-19 |
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