
技術士の森林部門とは
技術士(森林部門)は、森林管理や林業、治山・林道整備などに関する高度な専門知識を持つ国家資格です。本記事では、試験内容や合格率、勉強法などについて解説します。資格取得を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
技術士の森林部門の概要
技術士の森林部門は、林業や森林土木に関わる専門分野で、森林の適切な管理と持続可能な利用を支える役割を担います。具体的には、住宅建築用の木材を安定的に育成するための管理、豪雨災害防止のための森林整備、林業用設備の導入、希少野生生物の保護を目的とした森林調査などを行います。
技術士としての業務には、森林経営計画の策定、林業機械の整備、治山・林道の調査設計・施工管理などが含まれます。これらの活動を通じて、森林資源の持続的な活用や防災対策に貢献し、社会の安全と環境保全に寄与しているのです。
技術士の森林部門の試験内容
一次試験
技術士の森林部門における第一次試験は、基礎科目・適性科目・専門科目の3つで構成されます。
基礎科目は、設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギー・技術の5分野から出題され、各分野6問中3問を選択し、計15問に解答。8問以上正解で合格となります。
適性科目は、技術士法や技術者倫理、環境問題に関する内容で、15問全てに解答し、8問以上正解で合格です。特に技術士法第四章は頻出のため、重点的な対策が必要です。
専門科目(森林部門)は、林業、森林環境、森林土木、林産の4分野から計35問出題され、25問を選択して回答し、13問以上正解で合格となります。
二次試験
技術士の森林部門における第二次試験は、筆記試験と口頭試験で構成されます。
筆記試験では、必須科目として技術部門全般の専門知識や問題解決能力が問われ、選択科目では特定分野の専門知識や応用力が評価されます。合格基準は各科目60%以上の得点です。
口頭試験は、筆記試験の合格者を対象に実施され、技術士としての実務能力や倫理観、リーダーシップ、継続的な学習姿勢などが評価されます。こちらも60%以上の得点が必要です。
技術士の森林部門の合格率
技術士の森林部門における2023年の合格率は、一次試験が41.6%、二次試験が18.1%となっています。
一次試験の合格率は全体平均の39.7%とほぼ同じ水準ですが、二次試験の合格率は全技術部門の平均11.8%を上回っており、比較的合格しやすい部門といえます。それでも二次試験の合格率は20%未満であり、高い専門性と実務能力が求められる難関試験です。
他の技術部門と比べると、建設部門(9.8%)や電気電子部門(9.2%)よりも合格率は高めですが、繊維部門(28.6%)や総合技術監理部門(20.7%)ほどの高さではありません。
参照元:日本技術士会 技術士第一次試験 統計情報(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001012.html)
参照元:日本技術士会 技術士第二次試験 統計情報(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001013.html)
技術士の森林部門の勉強法
技術士の森林部門の勉強法は、主に過去問を活用する方法が中心となります。
一次試験の基礎科目と適性科目は全技術部門共通のため、市販の参考書を活用できます。一方、専門科目(森林部門)に関する市販の参考書はほとんどないため、過去5年分の試験問題を解き、出題傾向を把握することが重要です。また、林野庁が公開する「森林・林業白書」の過去3~5年分を確認し、特に直近の白書の内容を重点的に学習しましょう。
「森林・林業実務必携」(朝倉書店)や農業高校の林業分野の教科書を辞書のように活用し、過去問でわからない部分を補強するのが効果的です。また、林業に関する法律や制度の整理もしておくと良いでしょう。
技術士の森林部門の資格を取得するメリット
技術士の森林部門を取得することで、以下のようなメリットがあります。
- 信頼と評価の向上
技術士資格は国家認定の高度な技術者であることの証明となり、上司や同僚、取引先からの信頼を得やすくなります。特に、森林整備保全事業や地域林政アドバイザーなどの役職で評価されやすくなります。 - 収入アップの可能性
資格取得により専門性が高まり、昇進や昇給の機会が増えます。また、独立やコンサルタントとしての活動も視野に入れることができます。 - 他の資格取得の優遇
土木施工管理技士(1級・2級)、造園施工管理技士(1級・2級)、林業普及指導員などの資格試験において、一部または全部が免除される特典があります。 - 実力向上
試験勉強を通じて最新の知識や技術を習得し、実務に生かすことができます。
技術士の森林部門の資格が活かせる場
技術士の森林部門の資格は、主に森林管理や林業関連の分野で活かせます。
具体的には、森林経営計画の策定に関わり、持続可能な森林管理を支援します。林業用の装置や設備の導入・整備を行い、作業の効率化や安全性向上に貢献。治山・林道の調査設計や施工管理に携わり、森林環境の保全や災害防止を支える役割を担います。
これらの業務は、官公庁、森林組合、民間コンサルタント会社など、幅広い職場で求められており、資格を活かして専門的な技術者として活躍できます。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
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拠点 | 【支店】静岡、沼津、名古屋、豊橋、豊川、東京、福岡 【営業所】磐田、袋井、掛川、島田、藤枝、焼津、富士 横浜、相模原、多摩、埼玉、千葉、山梨、豊田、西尾、三重、岐阜、大阪、神戸、大分、宮崎 |
事業展開 | 都市計画、区画整理、補償調査、航空写真測量、地上測量、深浅測量、土木設計、造園設計、上下水道設計、建築設計、設計管理、地理情報システム、地質調査、環境アセスメント、他 |
連絡先 | 053-462-8800(総務部採用担当・田中) |