
建設コンサルタントの資格
建設コンサルタントとして活躍するために、とくに重要な要素の一つが「資格」です。
「実務経験があれば資格はいらないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、この業界において資格は単なる知識の証明ではなく、「会社の売上を左右するライセンス」であり、「あなたの市場価値を決める指標」です。
この記事では、業界で「二大資格」と呼ばれる資格から、持っていると差がつくプラスアルファの資格まで詳しく解説します。
建設コンサルタントの
「二大資格」とは
建設コンサルタントが官公庁の業務を受注する際、その業務を統括する「管理技術者」を配置する必要があります。この管理技術者になるための要件として、主に定められているのが「技術士」と「RCCM」です。
まずは、業界で最も信頼性が高いとされる国家資格「技術士」から詳しく見ていきましょう。
技術士
技術士は、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力、そして高い職業倫理を備えていることを国が認定する国家資格です。建設コンサルタントとして働く上で、最も権威があり、かつ実務上のメリットも大きい資格といえます。
試験は建設部門、上下水道部門、環境部門など、自分の専門とする領域(技術部門)ごとに行われます。
技術士を取得するメリット
- 「管理技術者」として
会社の売上に直接貢献できる
公共事業の入札では、技術士を「管理技術者」として配置できるかどうかが参加条件になることがほとんどです。さらに、技術士を配置することで総合評価落札方式(技術点)での加点が期待でき、会社が仕事を受注できる確率が格段に上がります。「あなたがいるから仕事が取れる」という状態になるため、社内での発言力も強まります。 - 生涯年収が1,000万円単位で変わる
多くの企業で月額2万〜5万円程度の資格手当が支給されます。仮に月3万円なら年間36万円、30年働けば資格手当だけで1,080万円の差が出ます。また、技術士取得が管理職への昇進条件となっている企業も多く、生涯年収へのインパクトは非常に大きいです。 - 転職に有利に働く
建設コンサルタント会社は、入札要件を満たすために常に技術士を必要としています。そのため、資格を保有していることで、希望する企業への転職や、より良い条件での処遇が期待しやすくなります。
技術士試験の難易度
技術士試験の難易度は、国内の技術系資格の中でもトップクラスに位置づけられています。部門により多少の変動はありますが、最終的な合格を目指す第二次試験の合格率は例年10%前後と非常に狭き門です。
試験内容も単純な知識の暗記だけでは通用しません。択一式の問題に加えて、自分の実務経験や専門知識を論理的に構成して論じる「論文形式」が中心となるため、社会的な課題を多角的に分析し、具体的な解決策を提案する高度な思考力が求められます。
筆記試験を突破した後には口頭試験(面接)が控えています。ここでは技術的な能力はもちろん、高い職業倫理や判断力が備わっているかどうかがチェックされるため、付け焼刃ではない十分な準備期間が必要です
RCCM
RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は、一般社団法人建設コンサルタンツ協会が認定する民間資格です。民間資格ではありますが、建設コンサルタント業務の管理技術者や照査技術者になるための要件として、国や地方自治体の入札要件に広く組み込まれており、技術士と並ぶ重要なライセンスとして扱われています。
技術士が「高度な専門技術」を証明するのに対し、RCCMは「現場の実務を管理・統括する能力」を証明する、より実務に即した資格とです。
RCCMを取るメリット
- 多くの公共事業で
「管理技術者」や「照査技術者」になれる
RCCMを取得する最大のメリットは、技術士と同様に、公共事業の入札において「管理技術者」や「照査技術者」になれる点です。技術士でなければ担当できない一部の高度な業務を除き、多くの一般的な業務ではRCCMがあれば責任者として名前を出すことができます。特に中~小規模の案件や特定の専門業務では、RCCMを保有していることで、実質的にプロジェクトのリーダーを任される機会が大きく広がります。 - 年収アップ・社内評価アップにつながる
多くの企業で技術士に次ぐ金額の資格手当が設定されており、月額数千円から数万円程度の収入増が見込めます。技術士に比べると金額は抑えられる傾向にありますが、取得のしやすさを考えると非常にコストパフォーマンスの高い投資といえます。 - 技術士取得のための基礎固めになる
RCCMの試験範囲は技術士の試験内容と重なる部分が多く、RCCMの勉強を通じて得た知識は、そのまま技術士試験の基礎となります。まずはRCCMを取得して実務上の責任権限を得つつ、技術士に挑戦するというのが業界の王道ルートになっています。
RCCMの難易度
試験はコンピュータを利用して回答するCBT方式で行われており、業務経験に関する記述問題と、専門知識を問う択一問題があります。RCCMの合格率は例年30〜40%前後で推移していおり、技術士に比べれば取得しやすい資格です。しっかりと対策を講じれば十分に一発合格が狙えるでしょう。
しかし、無勉強で受かるような内容ではありません。特に、自身の担当した業務を論理的に説明する記述問題は、技術士試験の論文に通ずる難しさがあり、実務経験を客観的に振り返る準備が欠かせません。日々行っている業務の背景や目的を正しく整理し、論理的に説明する力が重要です。
市場価値を高める
プラスアルファの資格
技術士やRCCMは、建設コンサルタントとしてのキャリアにおいて中核となる資格ですが、それ以外にも評価につながる資格はいくつかあります。
これらの資格は、入札要件に直接関わるものではありませんが、専門性の幅を広げたり、担当できる業務領域を広げたりするうえで重要な役割を持ちます。企業によっては評価制度や資格手当の対象となるケースもあり、年収やキャリアの選択肢に影響することもあります。
ここからは、建設コンサルタントとして働く中で「持っていると強みになりやすい資格」を見ていきましょう。
建築士(一級・二級)
建築士は、建築物の設計や工事監理を行うための国家資格であり、建設業界全体で高い知名度と信頼性を持つ資格です。
建設コンサルタントの業務は土木分野が中心ですが、都市計画や再開発、公共施設の整備など、建築領域と関わる案件もあります。そのため、建築士の資格を保有していると、建築分野の知見を踏まえた提案ができる人材として評価されやすくなります。
特に一級建築士は難易度が高く、保有しているだけで専門性の高さを示す指標として認識されやすい資格です。また、建築と土木の両方の視点を持つことで、プロジェクト全体を俯瞰した提案がしやすくなる点も大きな強みです。
測量士・測量士補
測量士および測量士補は、測量業務に従事するための国家資格です。建設コンサルタントの業務において、測量はすべての計画・設計の基礎となる重要な工程であり、現場に近い実務的なスキルといえます。
とくに若手のうちに測量士補を取得しておくと、基礎的な技術理解が深まり、実務への適応力も高まります。また、測量士まで取得すれば、専門性の裏付けとして評価されるだけでなく、担当できる業務の幅も広がります。
設計業務にとどまらず、現場条件の把握やデータの読み取りにも強くなるため、業務全体の精度向上にもつながる資格です。
土木施工管理技士(1級・2級)
土木施工管理技士は、工事現場における施工管理を行うための国家資格です。一見すると「施工会社向けの資格」と思われがちですが、建設コンサルタントにおいても評価される資格の一つです。
その理由として、設計や計画だけでなく、「実際にどのように施工されるか」という視点を持てる点が挙げられます。施工管理の知識があることで、現実的で実行可能性の高い設計提案が可能になり、発注者からの信頼にもつながります。
特に1級を取得している場合は、現場経験と技術理解の両方を兼ね備えた人材として評価されやすく、キャリアの幅を広げる要素の一つです。
コンクリート診断士
コンクリート診断士は、コンクリート構造物の劣化状況を調査・診断し、適切な補修・補強方法を提案するための専門資格です。橋梁やトンネル、擁壁など、多くの社会インフラにコンクリートが使われている日本では、その重要性は年々高まっています。
近年は新設よりも既存構造物の維持管理・長寿命化に重点が置かれており、「どのように直すか」「どのタイミングで補修するか」といった判断が求められる場面も増えています。その中で、コンクリート診断士の知識があれば、劣化メカニズムを踏まえた合理的な提案ができる人材として評価されやすくなります。
維持管理分野に関わる機会が多い方にとっては、実務との結びつきが強く、今後もニーズが見込まれる資格です。
地質調査技士
地質調査技士は、地盤や地質の調査・評価に関する専門知識を証明する資格です。
建設コンサルタントの業務では、道路や橋梁、トンネルなどの設計において、地盤条件の把握が極めて重要です。地質に関する理解があることで、設計の前提条件を正しく捉えられるようになり、安全性・経済性の高い提案につながります。また、斜面対策や災害復旧といった分野では、地質の知識が業務の品質に直結する場面もあります。
専門分野が合致している場合には、実務能力の裏付けとして評価されやすく、特定分野での強みを明確にできる資格です。
環境計量士
環境計量士は、水質や大気などの環境データを正確に測定・分析するための国家資格です。環境アセスメントや環境保全に関わる業務において、その専門性が活かされます。
近年は、インフラ整備においても環境への配慮が強く求められており、単に構造物をつくるだけでなく、周辺環境との調和を考慮した計画が重視されています。その中で、環境に関する定量的な評価ができる人材は、プロジェクトにおいて欠かせない存在になっています。
環境部門に関わる方や、今後その分野にキャリアを広げたいと考えている方にとっては、専門性を補強する資格の一つです。
TOEIC(英語力)
会社によっては、海外プロジェクトに関わる機会もあります。特に大手企業や海外展開を行っている企業では、英語力が評価対象となるケースもあります。
TOEICなどのスコアは、技術資格とは異なり直接的に業務独占につながるものではありませんが、「海外案件への対応力」や「情報収集力の高さ」を示す指標として活用されています。また、技術文書や海外の基準を扱う場面でも、一定の英語力があれば業務の幅を広げることができます。
必須とまではいえませんが、キャリアの選択肢を広げるという意味では、補助的な強みとして評価される要素の一つです。
まとめ
建設コンサルタントにおける資格は、単なるスキルの証明ではなく、「担当できる役割」や「会社への貢献度」を左右する重要な要素です。特に技術士やRCCMは、公共事業の受注に直結する“二大資格”として、キャリアの中核を担う存在といえます。
一方で、建築士や測量士、施工管理技士といった資格や、コンクリート診断士・地質調査技士などの専門資格を組み合わせることで、担当できる業務の幅や専門性をさらに広げていくことも可能です。
資格は一度にすべてを揃えるものではなく、自身のキャリアや専門分野に合わせて積み重ねていくものです。どの分野で強みを発揮していきたいのかを意識しながら、優先順位をつけて取得を目指していくことが、長期的な市場価値の向上につながるでしょう。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

| 株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
|---|---|
| 拠点 | 【支店】静岡、沼津、名古屋、豊橋、豊川、東京、福岡 【営業所】磐田、袋井、掛川、島田、藤枝、焼津、富士 横浜、相模原、多摩、埼玉、千葉、山梨、豊田、西尾、三重、岐阜、大阪、神戸、大分、宮崎 |
| 事業展開 | 都市計画、区画整理、補償調査、航空写真測量、地上測量、深浅測量、土木設計、造園設計、上下水道設計、建築設計、設計管理、地理情報システム、地質調査、環境アセスメント、他 |
| 連絡先 | 053-462-8800(総務部採用担当・田中) |