技術士の環境部門と建設部門の違い
技術士(環境部門)とは
環境部門は技術士資格を構成する技術部門の1つで、主な仕事は自然環境や動植物の生態調査です。大規模な工事を行う際に自然環境へ及ぼす影響を評価し、自然環境への大きな影響を回避する方法などの技術的なアドバイスを行います。また、自然の復元や管理に携わったり、大気や水質の汚染物質に関する測定・評価を行ったりするのも環境部門の技術士の仕事です。
試験内容
第一次試験は「基礎科目」「適正科目」「専門科目」で構成されており、基礎科目と適正科目で出題される問題はすべての部門で共通です。専門科目では部門別の試験問題が出題されます。
第二次試験で行われるのは、「筆記試験」と「口頭試験」です。第二次試験の筆記試験は記述形式となっており、第一次試験のマークシートによる択一方式と違って決まった正解がありません。そのため、設問に対して高い思考力や出題趣旨の理解力、論文作法が求められます。
口頭試験を受けられるのは筆記試験の合格者のみで、技術士としての実務能力や適格性が問われる試験内容となっています。第一次試験・第二次試験の過去問題は、公益社団法人 日本技術士会の公式HPでも確認することが可能です。
難易度
技術士試験を実施している公益社団法人 日本技術士会が発表した「技術士第一次試験 統計情報」によると、令和5年度の環境部門の第一次試験の受験者数804人のうち合格者数は276人、合格率は34.3%です。第二次試験の合格率は10.9%となっています。
技術士試験の第一次試験の難易度は、択一式を採用している科学技術系国家試験のなかではやや高く、理科系大学の教養課程程度の知識が求められます。また、第二次試験も10人中1人または2人が合格できるかどうかという合格率のため、取得難易度の高い資格です。
※参照元:公益社団法人 日本技術士会|令和5年度技術士第一次試験統計[PDF](https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1012_2.pdf)
※参照元:公益社団法人 日本技術士会|令和5年度技術士第2次試験統計[PDF](https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1013_2.pdf)
それぞれの部門で扱う業務
建設部門の業務
建設部門の技術士は建設コンサルタントとして活躍する人がほとんどで、土木に関する計画や研究、設計、分析、試験、評価に関する指導に携わります。
主な仕事内容としては、公共事業における土地や計画の事前調査、設計・現場監理、企業からの依頼による調査・研究・技術評価・技術指導、先端技術開発の相談、発展途上国への技術指導など。公共事業の全体計画に携わることが多く、依頼者も中央政府から地方自治体、建設企業などさまざまです。
環境部門の業務
環境部門の技術士の主な仕事は、自然環境や動植物の生態調査です。
国交省や環境省、農水省、地方自治体などから依頼を受け、大規模な公共事業が環境に与える影響についての調査・予測評価、計画の見直しなど技術的なアドバイスを実施。そのほかにも、街の中での自然の復元や管理、大気・水質中の汚染物質の測定・評価などにも携わります。
進路・職種の違い
技術士(建設部門)が多い仕事
建設部門の技術士の進路として一番多いのが、大手のゼネコンから独立し、建設コンサルタントとして活躍するパターンです。また、設計技術者になり、技術士として設計業務を中心とした案件に携わるというケースも。そのほかの就職先としては、建設コンサルタント会社や建設会社、官公庁があげられます。
技術士(環境部門)が多い仕事
環境部門は「環境測定」「環境保全」「自然環境」と専門が分かれており、環境部門の技術士の多くはそれぞれの専門知識を生かして建設コンサルタント会社や総合コンサルタント会社、環境コンサルタント会社で働いています。また、環境部門の技術士のなかには独立開業してコンサルタント会社の技術顧問を務めたり、組織やイベントにアドバイザーとして派遣されたり、企業に技術移転や開発指導を行ったりしている人もいるようです。
技術士(環境部門)を取得するメリット
技術士は一般的な知名度はそれほどないものの、科学技術に携わる技術者の間では最も権威のある国家資格として知られています。弁護士や医師、公認会計士などとまとめられて5大国家資格の1つにあげられることもあり、取得難易度が非常に高い資格です。
そのため、技術士の資格を取得することで、技術者としての信頼や評価につながるメリットがあります。また、資格手当や大企業への転職などで年収アップが見込めることも。そのほかにも、技術士の資格を持っていると他の国家資格を受験する際に一部の試験が免除される優遇制度もあり、効率的に資格を取得したい人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
技術士の取得で一部試験が免除される国家資格には、中小企業診断士や弁理士、気象予報士、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントなどがあります。
建設コンサルタントを目指すならどちらも取得したい資格
建設コンサルタントを目指すのであれば、建設部門と環境部門のどちらか一方を取得するのではなく、どちらも取得することをおすすめします。
建設分野と環境分野のどちらにも携われる建設コンサルタントになることで、幅広い現場に携わることが可能。さまざまな現場で重宝される建設コンサルタントになれ、技術士としてのやりがいもより感じられるでしょう。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。
株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
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拠点 | 【支店】静岡、沼津、名古屋、豊橋、豊川、東京、福岡 【営業所】磐田、袋井、掛川、島田、藤枝、焼津、富士 横浜、相模原、多摩、埼玉、千葉、山梨、豊田、西尾、三重、岐阜、大阪、神戸、大分、宮崎 |
事業展開 | 都市計画、区画整理、補償調査、航空写真測量、地上測量、深浅測量、土木設計、造園設計、上下水道設計、建築設計、設計管理、地理情報システム、地質調査、環境アセスメント、他 |
連絡先 | 053-462-8800(総務部採用担当・田中) |