
技術士の応用理学部門とは
技術士の応用理学部門は、物理・化学・地質の専門知識を活かして、地震対策や地盤改良に関わる専門資格です。ここでは、技術士の応用理学部門の概要をはじめ、試験内容や合格率、勉強方法などについて解説します。
技術士の応用理学部門の概要
技術士の応用理学部門は、『物理』『化学』『地質』の3分野を専門とし、地震対策において重要な役割を担っています。
地震大国である日本において、地震被害を最小限に抑えるための取り組みは不可欠です。応用理学部門の技術士の仕事は、地盤強度の解析をはじめ、地震による被害を抑える地盤改良の検討や地震発生のメカニズムの解明など。応用理学部門の技術士が建物の安全性を高めるための対策を講じることで、生活基盤を支えています。
技術士の応用理学部門の試験内容
一次試験
応用理学部門の一次試験は、基礎科目・適正科目・専門科目の3つで構成され、すべて択一式の試験で行なわれます。
基礎科目では、技術士に必要となる科学技術全般にわたる基礎知識が問われ、適正科目では技術士法の規定の遵守に関する適正の問題が出題。専門科目は、物理及び化学、地球物理及び地球科学、地質の分野から出題されます。
いずれの科目も50%以上の得点が合格基準となります。
二次試験
第二次試験は筆記試験と口頭試験で構成されており、筆記試験は必須科目と選択科目に分かれています。
選択科目は、物理及び化学、地球物理及び地球科学、地質のいずれかを選択。必須科目・選択科目のいずれも記述式で、60%以上の得点が合否決定の基準となります。口頭試験は筆記試験の合格者を対象に行われ、技術士としての適格性などが問われます。
技術士の応用理学部門の合格率
一次試験
- 令和5年度:受験者数310人 合格者数101人 合格率32.6%
- 令和4年度:受験者数336人 合格者数135人 合格率40.2%
- 令和3年度:受験者数302人 合格者数80人 合格率26.5%
- 令和2年度:受験者数292人 合格者数85人 合格率29.1%
- 令和1年度:受験者数176人 合格者数52人 合格率29.5%
※参照元:技術士第一次試験 統計情報|公益社団法人 日本技術士会(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001012.html)
二次試験
- 令和5年度:受験者数575人 合格者数58人 合格率 10.1%
- 令和4年度:受験者数551人 合格者数75人 合格率13.6%
- 令和3年度:受験者数544人 合格者数92人 合格率16.9%
- 令和2年度:受験者数499人 合格者数83人 合格率16.6%
- 令和1年度:受験者数576人 合格者数82人 合格率 14.2%
※参照元:技術士第二次試験 統計情報|公益社団法人 日本技術士会(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001013.html)
一次試験においては合格率が60%を超える部門もあるなか、応用理学部門の合格率は20~30%と低く、技術士の部門のなかでも難易度はかなり高いと言えるでしょう。また、二次試験においても合格率は10~15%と低いため、合格するにはしっかりとした対策が求められます。
ちなみに二次試験の選択科目の合格率は、令和5年のデータを参考にすると物理及び化学が16%、地球物理及び地球化学は10%、地質は9.8%となっています。
技術士の応用理学部門の勉強法
過去問を1年分解いてみる
応用理学部門の勉強を始めるにあたり、まずは過去問を1年分解いてみましょう。過去問に取り組むべき理由は、自分の現時点でのレベルや試験問題を確認するためです。
まずは試験時間通りに取り組み、時間内に終わらなかった問題がある場合は時間をかけて解きます。これは、問題を解けなかったのが時間によるものなのか、それとも自分の知識不足によるものなのかを整理するためです。
苦手分野の問題を集中的に解く
過去問を1年分解いてみて自分の苦手分野を把握できたら、次は苦手分野の問題だけに集中して解いていきます。理解できるまで何年分かを繰り返し復習しながら解いていくと、問題の傾向を段々とつかめるようになり、定着率も良くなります。また、焦って解く必要はありませんが、勉強するときは必ず時間をはかり、1問あたりにどれぐらいの時間をかけているのかを把握するようにしましょう。
ちなみに、1科目分を一度にまんべんなく解く方法は、間違えた問題が多岐にわたって復習しにくくなるため、おすすめしません。
1科目を通しで解く
試験の1ヶ月前になったら、総復習として1科目を通しで解いてみましょう。通しで解くのは、時間配分の感覚をつかむためといった目的もあります。何年分もやる必要はなく、1~2年分を通しでやれば十分です。専門科目は解くのに少し時間がかかるため、時間配分に注意しましょう。
基礎科目と適正科目は参考書を活用する
過去問のほかにも、参考書を補助教材として活用するのもおすすめです。特に基礎科目と適正科目は解説がついていることで、勉強をスムーズに進められます。
技術士の応用理学部門の資格が活かせる場
応用理学部門の資格を持っていると地質に関する専門知識があるとみなされるため、建設コンサルタント会社で地質調査に携わることができます。
また、地方自治体や国交省、公共機関の元請会社にて土木工事の専門職として活躍することも可能。気候変動などによって地球規模での自然災害が増えていることから、応用理学部門の技術士の需要は今後さらに高まっていくと考えられます。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
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拠点 | 【支店】静岡、沼津、名古屋、豊橋、豊川、東京、福岡 【営業所】磐田、袋井、掛川、島田、藤枝、焼津、富士 横浜、相模原、多摩、埼玉、千葉、山梨、豊田、西尾、三重、岐阜、大阪、神戸、大分、宮崎 |
事業展開 | 都市計画、区画整理、補償調査、航空写真測量、地上測量、深浅測量、土木設計、造園設計、上下水道設計、建築設計、設計管理、地理情報システム、地質調査、環境アセスメント、他 |
連絡先 | 053-462-8800(総務部採用担当・田中) |