
技術士建設部門の離職率
建設業界は、その性質上、プロジェクトベースで働くことが多く、そのために不規則な労働時間や厳しい労働条件が常態化しています。これらの条件は特に技術士建設部門のような高度な専門知識を有する職種において、職場環境とのミスマッチを生じさせ、離職率の高さに直結しています。
建設業界・施工管理の離職率
建設業界で働く技術士の離職率は、その厳しい労働環境から、他業種と比較しても顕著に高い数値を示しています。特に施工管理技士などの資格を持つ専門家は、プロジェクトの成功を左右する責任の重さと、それに伴うストレスが大きな要因となっています。業界内での平均離職率は、一部の調査では15%を超えることもあり、これは国内平均の離職率と比較しても高い水準です。長時間労働や労働環境の厳しさが主な原因とされており、技術士を含む建設業界の従事者にとって、この問題は切実なものです。
離職率が多い理由とは?
建設業界における高い離職率の背後には、複数の要因が存在します。まず、業務の物理的な厳しさがあります。重い物資の運搬、高所での作業、長時間にわたる立ち仕事など、体力を消耗する作業が多く、これが肉体的な負担となっています。加えて、プロジェクトの締切や品質管理など、精神的なプレッシャーも大きい要素です。これらのストレスは、特に技術士建設部門のような専門職において、高い専門性と責任の重さが相まって、離職へとつながるケースが少なくありません。
さらに、建設現場特有の拘束時間の長さや、不規則な労働時間も大きな問題です。夜間や休日に作業が行われることも多く、家族や友人との時間が確保しにくい状況は、メンタルヘルスを損なう重要な要因となっています。これらの労働条件は、特に若手の技術者にとって持続不可能な環境を作り出し、キャリアの早い段階での離職を促しています。
離職率を高める8つの要因
- 肉体的・精神的ストレス
厳しい現場条件とプロジェクトのプレッシャーが重なり、職場でのストレスや負荷が大きくなるケースが考えられます。長期間にわたってストレス過多の状態が続くと、モチベーションが保てないばかりか心身の不調を引き起こし、結果的に離職に繋がります。 - キャリアパスの不透明さ
自由にキャリアを積めるといえば聞こえは良いですが、キャリアパスが明確になっていない場合、昇進やスキル習得に必要な情報が不明なまま働くことになります。特に若手技術者にとっては将来の不安となり、他の職種への転職を検討する原因となります。 - 報酬の不満
労働条件の厳しさに対して、報酬が見合わないと感じる技術者は少なくありません。生活に直結することも含め、離職を決断する重要な要因となっています。 - ワークライフバランス
建設業界の従事者はワークライフバランスの悪化により、一人の時間や家族との時間を十分に持てないことが多いといわれています。プライベートを重視する方にとっては、離職の動機になりかねません。 - 安全管理の不備
建設現場における安全対策の不足は、従業員の健康や安全に対する不安を高めます。一歩間違えば死の危険性がある現場作業においては、安心して働ける環境ではないという不信感が仕事を辞めるきっかけになり得ます。 - 人間関係の問題
労働環境における人間関係のストレスは、仕事の満足度を大きく下げる要因です。職場の雰囲気やチームワークの不和が多い場合、ストレスや合わなさもあり早期退職する方が増える傾向にあります。 - 技術革新への適応
建設業界では技術革新が進む中、継続的な学習とスキルのアップデートが求められています。会社の方針への適応が難しいと感じる場合は退職を検討する方もいるでしょう。
離職率を下げるための対策は?
建設業界で離職率を効果的に下げるためには、従業員の働きがいや満足度を高める対策が必要です。
- 従業員の声の積極的な収集と反映
定期的なアンケートやフィードバックを通じて、従業員の意見や提案を聞き、職場改善に反映させます。従業員側は意見を聞き入れることにより、尊重されていると感じやすくなります。結果として、職場への満足度とロイヤルティが向上します。 - 柔軟な働き方の導入
リモートワークやフレックスタイム制度を導入し、従業員が仕事とプライベートのバランスをとりやすくします。柔軟な働き方は、家庭と仕事の両立を求める従業員にとって魅力的であり、長期的な雇用に繋がります。 - キャリア開発の支援
従業員が自身のキャリアパスを明確に描けるように、キャリアコンサルティングやスキルアップのための研修プログラムを提供するのも一つの手です。従業員が将来に対するビジョンを持ち、成長の機会を見出すことができれば、職場へのコミットメントが強まります。 - 報酬体系と福利厚生の見直し
労働の厳しさに見合った報酬体系を整備し、福利厚生を充実させることで、従業員のモチベーションと満足度を高める。競争力のある給与体系と、健康管理やレジャー活動の支援など、従業員の生活をサポートする福利厚生は、離職率を下げる重要な要素です。 - 労働環境の改善
安全な労働環境の確保と、ストレスが少ない職場環境の構築に努める。安全対策の徹底、効率的な作業プロセスの設計、適切な休息時間の確保などを通じて、従業員が健康で安心して働ける環境を提供します。
これらの対策を実施することで、技術士建設部門をはじめとする建設業界の従事者が直面する多くの課題に対処し、離職率の低減につながるでしょう。組織全体で従業員の満足度を高め、働きがいのある職場環境を実現することが、業界全体の持続可能な発展の第一歩といえます。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
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