地質調査
地質調査とはどのような仕事か
分野別に3つの種類がある地質調査の概要を紹介
地質調査は実施目的による3つの分野があるので、以下に概要をまとめてみました。
学術的分野の地質調査とは
国立研究開発法人である産業技術総合研究所の地質調査総合センターが学術的地質調査の代表的な発注者。他にも国や大学といった研究機関から依頼されるケースがあります。地球科学の研究分野のひとつであり、地震が頻発する日本では超震度科学掘削技術などの先進テクノロジーが注目されています。
資源開発分野の地質調査とは
石油や石炭をはじめとする化石燃料や鉱物などの天然資源だけでなく、地熱のようなクリーンエネルギーも調査対象。従来から「資源のない国」と呼ばれてきた日本において、資源開発分野の地質調査は地熱発電以外、あまりニーズがないともいえます。
建設事業分野の地質調査とは
全国地質調査業協会連合会公式HPによると、日本におけるビジネスとしての地質調査事業は90%以上が建設事業分野とのこと(2023年4月21日調べ)。高度経済成長期の高速鉄道・道路やダム建設などに伴う地質調査は、その代表的な事例となります。一般的に、地質調査は企画立案から維持管理のそれぞれの工程で実施されます。
参照元:一般社団法人全国地質調査業協会連合会(https://www.zenchiren.or.jp/geo/geo1_0_j.html)
取材協力企業・フジヤマが行っている地質調査とは
建設総合コンサルタントのフジヤマでは、総合的な地盤構造の評価に対応。以下に紹介する6つの地質調査メニューは、ニーズに合わせた組み合わせ提案も行っています。
ボーリング調査
ボーリング機械により地盤を削孔して、調査対象となっている場所の土や岩石のサンプルを採取。それらを観察して地質構成や地盤特性を明らかにします。
原位置試験を組み合わせることで、地盤の硬さや変形特性、地下水の透水性などのデータ取得も可能。災害地盤調査や水文調査を目的とするケースでは、地盤変位・地下水位などの観測機器をボーリング調査孔に設置します。
サウンディング試験
ボーリング調査の補足調査といった位置付けで、地盤の硬軟をテストするのがサウンディング試験。調査対象地の地盤に試験機の貫入体を挿入して動かした際の抵抗に基づいて、地盤特性を調べることができます。
フジヤマでは標準貫入試験だけでなく、オートマチックラムサウンディング、スウェーデン式サウンディング試験、簡易動的コーン貫入試験、ポータブルコーン貫入試験にも対応しています。
物理探査・検層
地質境界や断層及び破砕帯、地下水などを把握するための調査。物理探査は地上付近を対象とする非破壊試験、物理検層はボーリング孔によって調査を実施します。それぞれの代表的な方法は以下をご覧ください。
- 物理探査:弾性波探査、電気探査、地中レーダ探査、表面波探査など
- 物理検層:速度検層、電気検層など
土質試験・岩石試験
土質試験は原位置とボーリングで試料を採取。対応できる主な試験を物理・化学・力学の3つに分けて紹介します。
- 物理試験:密度試験、含水比試験、粒度試験、液性・塑性限界試験、湿潤密度試験など
- 化学試験:有機炭素含有量試験、強熱減量試験、土懸濁液のpH試験、土懸濁液の電気伝導率試験など
- 力学試験:一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、段階載荷による圧密試験、突固めによる締固め試験、CBR試験など
岩石試験はボーリングで試料を採取。対応できる主な試験を物理・力学の2つに分けて紹介します。
- 物理試験:含水比試験、密度試験、吸水膨張試験、スレーキング率試験、超音波速度測定方法など
- 力学試験:一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、圧裂による引張り強さ試験など
地盤災害調査・解析
地震や豪雨などが原因で起きた地盤災害を調査・解析します(画像は、土砂災害の現場調査の様子)。
被災状況の現地調査をはじめ、ボーリング調査やサウンディング試験による地質調査、災害記録や図面、空中写真などを利用した資料調査に対応しています。
それら調査結果に基づいて、被災状況のレポートと対策工事の設計・施工に活用する情報をまとめます。
地下水調査
調査対象となる地盤の種類と、目的に応じた調査方法の選択が必要。予備調査では地下水や地盤に関する情報の他に気象や土地利用などの情報を収集。現地調査となる本調査では、地下水位・地質・水質・地下水流動などを調べます。
フジヤマ 現場の技術者から
フジヤマの強みは、測量、地質調査、設計を一貫して自社で消化できる体制をとることができることです。特に迅速対応が求められる災害案件では、この強みを最大限に発揮することができます。
また、設計と忌憚なく意見交換ができることで、過不足のない地質調査を提供することができます。設計だけではなく、測量や空間計測、都市計画、文化財関係等の社員とともに仕事ができる環境にあり、業務を通し、地質調査に限らない、思いもよらない様々な知見を広く見聞できるところも醍醐味の一つと捉えています。
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全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。
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