
技術士の上下水道部門とは
技術士は日本国内で最も権威のある技術資格の一つであり、その中でも上下水道部門は、上水道や下水道、工場用水道など、国民の生活と産業を支えるインフラを扱う重要な分野です。
こちらでは、技術士の上下水道部門の概要や試験内容、合格率、取得するメリットや活躍できる場などを解説します。
技術士の上下水道部門の概要
技術士は21の技術分野に分かれており、その中に上下水道部門があります。この部門は、上水道や下水道に関する設計や施工、水質管理や排水処理施設の維持管理など、幅広い業務に対応するための専門的な知識とスキルを認定するものです。
技術士の上下水道部門の試験は、一次試験で基礎能力を、二次試験で応用力や実務能力を問う構成となっています。
特に二次試験は非常に難易度が高く、しっかりとした準備が求められます。しかし、合格すれば専門性の高い技術者として認定され、幅広い活躍の場が用意されるとともに、キャリアアップや年収アップといったメリットも期待できます。
技術士の上下水道部門の試験内容
技術士の試験は一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験
一次試験は基礎科目、適性科目、専門科目の3科目で構成されています。試験形式はすべてマークシート方式で、基礎科目・適性科目・専門科目のそれぞれで50%以上の得点が合格基準となります。
基礎科目では科学技術全般にわたる知識が問われ、設計・計画、解析、環境・エネルギーなど、多岐にわたる分野が出題対象となります。適性科目では技術士法に基づく技術者倫理や、技術士としての適性を問う問題が出題されます。
専門科目は、部門ごとに基礎知識や専門知識を問う問題が出題されます。上下水道部門の出題範囲は、上水道および工業用水道、下水道、水道環境となっています。
令和5年度の上下水道部門の一次試験では、受験者1,020人中470人が合格し、合格率は46.1%でした。過去5年間の推移は以下のとおりです。
- 令和5年度:受験者数1,020人 合格者数470人 合格率46.1%
- 令和4年度:受験者数1,150人 合格者数471人 合格率41.0%
- 令和3年度:受験者数1,092人 合格者数346人 合格率31.7%
- 令和2年度:受験者数918人 合格者数384人 合格率41.8%
- 令和1年度:受験者数576人 合格者数289人 合格率50.2%
※参照元:技術士第一次試験 統計情報|公益社団法人 日本技術士会(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001012.html)
二次試験
二次試験は筆記試験と口頭試験で構成されます。
筆記試験では、上下水道に関する専門知識を記述式で問われます。具体的には、課題解決能力や応用力を試される問題が中心です。試験は必須科目と選択科目に分かれており、それぞれ60%以上の得点が求められます。
口頭試験は、筆記試験の合格者が受験でき、技術士としての倫理観や継続的な研鑽に対する姿勢、さらにはリーダーシップやマネジメント能力などが問われます。合否の基準は、各評価項目で60%以上の得点です。
令和5年度の二次試験では、受験者1,425人中146人が合格し、合格率は10.2%でした。過去5年間の推移は以下のとおりです。
- 令和5年度:受験者数1,425人 合格者数146人 合格率10.2%
- 令和4年度:受験者数1,386人 合格者数142人 合格率10.2%
- 令和3年度:受験者数1,399人 合格者数185人 合格率13.2%
- 令和2年度:受験者数1,237人 合格者数181人 合格率14.6%
- 令和1年度:受験者数1,446人 合格者数173人 合格率12.0%
※参照元:技術士第二次試験 統計情報|公益社団法人 日本技術士会(https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/001013.html)
技術士の上下水道部門の合格率
技術士の上下水道部の一次試験の合格率は例年40~50%です。一方、二次試験の合格率は10~15%程度で、他の技術部門と同じく非常に難関です。しっかりと対策しなければ、合格は難しいでしょう。特に二次試験の記述問題は、添削指導を受けるのがおすすめです。
技術士の上下水道部門の資格を取得するメリット
上下水道部門の技術士資格を取得することで、技術者としての信頼性を高めることができます。高度な専門知識を有していることが証明されるため、官公庁や地方自治体、さらには建設会社やコンサルタント会社からも信頼されやすくなります。
管理技術者や現場責任者として活躍できる可能性が広がり、年収の増加やキャリアアップも期待できるでしょう。
また、就職や転職にも有利に働きます。技術士資格を活用して独立することも可能であり、プロジェクトの受注においても高い競争力を発揮することができます。
技術士の上下水道部門の資格が活かせる場
この資格を取得した技術士が活躍できる場は非常に多岐にわたります。主に都道府県や市町村の上下水道部門、あるいは自治体から上下水道工事を請け負う建設会社や設計コンサルタント会社などが挙げられます。
たとえば、上下水道の基本計画を立案したり、浄水施設の設計や更新計画、さらには耐震診断を担当するなど、インフラの根幹を支える重要な業務に携わることができます。
上下水道は生活に欠かせないライフラインです。新規設置の需要だけでなく、既存設備のメンテナンスや更新も必要不可欠です。このような背景から、資格取得後も安定した需要が見込まれ、長期的に活躍できるでしょう。
全国に拠点を拡大し続けている
建設総合コンサルタント
静岡県浜松市に本社を置く株式会社フジヤマは、コンサルタント分野をはじめ、国土基盤(測量・調査)、空間情報(地理情報)といった3つの部門で構成されている建設総合コンサルタントです。国や自治体における建設コンサルタントの幅広い事業領域をワンストップで提供。地元はもとより、全国に拠点を拡大、成長し続けている企業です。

株式会社フジヤマ 本社所在地 | 静岡県浜松市中区元城町216-19 |
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拠点 | 【支店】静岡、沼津、名古屋、豊橋、豊川、東京、福岡 【営業所】磐田、袋井、掛川、島田、藤枝、焼津、富士 横浜、相模原、多摩、埼玉、千葉、山梨、豊田、西尾、三重、岐阜、大阪、神戸、大分、宮崎 |
事業展開 | 都市計画、区画整理、補償調査、航空写真測量、地上測量、深浅測量、土木設計、造園設計、上下水道設計、建築設計、設計管理、地理情報システム、地質調査、環境アセスメント、他 |
連絡先 | 053-462-8800(総務部採用担当・田中) |